Scrap Book of District 11

備忘録とか

カフカ『実存と人生』(辻瑆 編)

6月ごろに衝動買いしたカフカの断片集『実存と人生』をやっと読み終えました。

乱丁があったことには驚きましたが、それ以外はとても気に入っています。

以下、感想です。

 

まず翻訳について。
この訳者のカフカは今まで読んできたカフカの訳の中でもかなりお堅い感じがしました。
翻訳によってかなり印象が変わるので、言語は奥深いですね。

カフカはやはり断片…つまりノートの端書きが、個人的に一番刺さります。
もちろん『変身』やその他の短編も素晴らしいのですが、短い文章の中に「これほどまでか」と思うくらい繊細な意味合いが込められいるように感じました。

気に入った断片に付箋をつけながら読んだのですが、あれもいい、これもいい、で付箋まみれに。
「絶望」に関する記載が多いですが、それでも少しばかり希望が残っているように感じられるものもあり、そこがカフカの良いところだな、と改めて感じました。

中でもお気に入りは下記です。

生きながら人生とうまく決着をつけられない人間は、その自分の運命ゆえの絶望を、少しばかりふせぐためにーーこんなことはひどく不完全にしかできないのだがーー片方の手を必要とするが、しかしもう一方の手では、くずれた残骸の下に自分が見るものを、書きつけてゆくことができる。  (p.207)

物書きの端くれとして、とても勇気づけられました。傷口から血が流れていても筆を取っていいんだな。

自分も迷わず描き続けることにします。

 

次はカフカの日記を読みつつ、安部公房の短編集も読んでいきたいです。

Matt Hires ライブ配信

Matt Hires

  • シンガーソングライター

American Wilderness

American Wilderness

  • Matt Hires
  • シンガーソングライター
  • ¥1528

Break No More

Break No More

  • Matt Hires
  • シンガーソングライター
  • ¥204

学生の時から大好きな洋楽アーティスト、Matt Hiresのライブ配信を観ました。

Mattさんは普段、アメリカ国内あちこちでハウスショーをやっていらっしゃるんですが、なんと4年ぶりにオンラインでのライブを開催してくださいました。
中々アメリカに行けないファンとしては嬉しいことです。

以下、ライブの感想です。

 

もうね〜最高なんですよ……。ビール片手にギター一本で弾き語り、様になるし、歌ももちろん上手い。

2014年のEP『Heartache Machine』がファーストエンカウントだったか…。ということは出会って10年経っている……。時の流れは恐ろしいですね…。
当時ささくれていた少年の心にはとても刺さる曲で、今でも元気がない時、落ち込んだ時はMattさんの曲を聴いて元気を貰っています。「Break No More」なんて一番元気もらえますからね、聞くたびに感動して泣きそうになります。

今回はファーストアルバムから未リリースの最新曲まで、おおよそ1時間半にわたって演奏してくださいました。嬉しい。

とても個人的な話もしてくださり、近況も知ることができて良かったです。

今回勇気を出して初めてささやかながらチップを送りました。

 

やー…やっぱり好きだな、Matt Hires。
今までもこれからも、応援させてください。

長野まゆみ『野川』を読みました

久々の読書感想文。友人におすすめされた本です。

自分が学生時代に住んでいた町が舞台で、馴染みのある光景がたくさん出てくるので、まるで彼の町を散策しているようで、読み進めるのが楽しかったです。

以下、ネタバレ感想です。

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ツーブロポニテ、あるいは逆ちょんまげ

ツーブロポニーテールのことを「逆ちょんまげ」と心の中で呼んでいます。

 

長らくツーブロポニテ人間として暮らしてきたのですが、この度ツーブロポニテ人間を一旦おやすみすることにしました。
理由は単純明快。刈り上げる度にツーブロの領域が徐々に広がっている気がするから。

このままでは坊主になってしまうと危機感を抱いたのでここらで一旦リセットをかけることにしました。
このあと1年半くらいは髪を伸ばし続け、その果てにツーブロポニテ人間を再開できればな〜と思っています。

中途半端に伸びてるツーブロ部分が気になるので早く伸びて欲しいです。
たぶん、明治時代に入ってちょんまげを辞める人もこんなもどかしい気持ちだったのかもしれない。

『ヰ世界情緒 3rd ONE-MAN LIVE「AnimaⅢ」』を観ました

ヰ世界情緒 3rd ONE-MAN LIVE「AnimaⅢ」を鑑賞しました。
ヰ世界情緒 初の有観客ライブとのことでしたが、当日自分は普通に仕事があったので、紆余曲折あって後からアーカイブを鑑賞しました。

ヰ世界情緒は、親友がカラオケで彼女の歌を歌っていたところから知ったのですが、とにかく幅広い歌唱力が魅力的なバーチャルシンガーです。
同じスタジオ(神椿)のアーティストだと、僕は理芽ちゃん(が歌う笹川真生が楽曲提供した歌)も好きです。

以下、ライブのネタバレです。(以下、「情緒ちゃん」呼びしてます注意)

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青い空、白い雲、白いナス

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直売所で白いナスを入手しました。
「ステーキにすると美味しいですよ」と言われたので、ナス好きの自分は迷わず購入。
下記のレシピ通りにナスのステーキを作ってみました。諸事情によりネギはなし、パクチーで代用。

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できました。余談ですが、お皿はミッフィーのお皿です。

肉厚でジューシーなナスのステーキになりました。いつものナスの数倍は美味しかったです。種類が違うのもあるでしょうが、調理を工夫するだけで、こんなに美味しくなるんですね…野菜って……。

というわけで、白ナスの料理レポでした。

ミカンのレモネード、竹のように育て、他

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ご近所さんから青くて若いミカン(そのままでは食べられない)をいただいたので、細かく切って、蜂蜜とアガベシロップに3日くらい漬けてみました。
なんでも知り合いの農家さんから大量に頂いたとか。

若いし実もないので、あんまりミカンの香りは出ないんじゃないかな〜と思っていたのですが、結構香り高く、これは美味しい!と唸ってしまいました。少し青い感じが残っているのがいいですね。後味スッキリで口の中が爽やかです。

 


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「なんかデジャヴだな…」と思ったら、2年前に同じようにドリンクをDIYしてました。
この時はラム酒ベースのカクテル。美味しかったな、ペインキラー。


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話は変わって、我が家のガジュマル。
最近葉っぱの色が変だなと思ったので植木屋さんに連れて行ったらハダニがついていたそう。おすすめいただいた殺虫剤?防虫剤?を買って、スプレーし、少しばかりの肥料も撒いてみました。


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待つこと数日。なんだか育ちが良い…?
こうしてお世話をしていると、植物も生き物なのだな、と改めて感じました。

スクスク育っておくれ!

 

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これは先日食べた1000円弱の桃を丸ごと使ったタルト。去年からずっと食べたいと思っていたら一年経ってました。
お店の方によると今の時期は福島のあかつきを使用しているとか。ツヤツヤと宝石のよう。
くり抜かれた種部分には甘さ控えめのカスタードクリームが入っていて相性抜群でした。
こんなにも美味しくて満足度の高いタルトを食べたのは久々かもしれないです。これは千円の価値がありますよ……。

ゲーム『春と修羅』を遊びました

インディーゲーム『春と修羅』を遊びました。

インディーゲームを遊ぶのはたぶん、ツクール&ふりーむ全盛期以来なので、それこそ10年ぶりくらい…? 時の流れは怖いですね…。

元々は、同じ製作者さんの『紅茶カルテ(未リリース)』を遊びたいと思い情報を追いかけていたのですが、該当作品は『春と修羅』の後日談的ゲームだとのことで+リリース3周年セールをやっていたので、遊んでみました。

結果としては、DLCとサントラを買うくらいには気に入ったゲームになりました。

以下、ネタバレです。

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太宰治文学散歩、他

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太宰治ゆかりの地、三鷹をぐるっと一周散歩してきました。

三鷹は学生時代によく通っており、馴染みのある町を新しい角度から見る今回の散歩は得るものが多かったです。

前回のプチ文学散歩で行った場所や井の頭公園などの遠過ぎる場所は割愛しつつ、おおかた文学散歩マップに沿って所要時間5時間半の散策をしてきました。サクッと2-3時間で終わらせるはずが、寄り道をしまくったので一日かかりました。ちょっとした冒険。

以下、感想文です。

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